私の母は、着物を愛していました。
桐箪笥の中には、それはそれは美しい着物たちが大切に保管されています。
それらは、私が嫁いだ時に母が仕立ててくれたものと、母から譲り受けたものです。
母から受けた愛は「思い出」として、今も胸の中に温かく存在しています。
しかし当時の記録は、数枚の写真以外ほとんどありません。
母について知りたいと思うとき、着物が手がかりとなるのです。
遺された着物から、母の生きた時代や人柄、暮らしぶりを知ることとなるでしょう。
そして、ひとりの女性の人生を辿る物語が生まれます。
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